K-POPファンが使う韓国語、韓国人も本当に使う?「オッパ」「オンニ」から日韓の推し活の違いまで

ライブ会場の客席で、光る応援棒を手にステージを見つめる黒髪の女性

年下の推しに「オッパ!」。韓国語としては、あれ、年齢が逆では? でも、ファンの気持ちとしては分かる。推しを前にすると、年齢の計算はいったんお休み?

「オッパ」「オンニ」「チェエ」は、韓国でも使う言葉です。ただ、普段の意味とファン同士のノリには少し違いがあります。私は、その違いを知るのも推し活の楽しさだと思うんです。呼び方からグッズ、誕生日のお祝いまで、日韓の推し活をのぞいてみましょう。

ライブ会場の客席で、光る応援棒を手にステージを見つめる黒髪の女性

「オッパ」は、好きな男性アイドルの総称ではない

基本の「오빠(オッパ)」は、女性が自分より年上の男性を呼ぶ言葉。「언니(オンニ)」は、女性が年上の女性を呼ぶ言葉です。お兄さん、お姉さんという意味があり、家族だけでなく親しい年上の人にも使います。これは国立国語院の韓国語基礎辞典でも確認できます。

面白いのは、呼ぶ人によって言葉が変わること。年上の同じ男性を呼んでも、女性ならオッパ、男性なら「형(ヒョン)」です。年上の女性なら、女性はオンニ、男性は「누나(ヌナ)」。日本語の「お兄さん」「お姉さん」と違って、呼ぶ側の性別も関わるんですね。

だから、年下の男性アイドルへの「オッパ」は、もともとの年齢ルールには合いません。それでもファン同士の会話では、年齢を飛び越えて冗談まじりの愛称として使うことがあります。私はその大げさな愛情がかわいいと思う。でも、日常の呼び方を覚えるなら、まず年齢と関係を押さえたいです。

日本でK-POPを通じて耳にする言葉を、韓国での使い方と一緒に並べると、こんな感じ。

오빠(オッパ)=女性が親しい年上の男性を呼ぶ言葉

언니(オンニ)=女性が親しい年上の女性を呼ぶ言葉

사랑해(サランヘ)=愛してる。恋人・家族・友達にも、推しにも

대박(テバク)=すごい! 驚くようなことへの感嘆にも使う

진짜(チンチャ)=本当に・マジで。驚き以外の日常会話でも

최애(チェエ)=いちばん好きな人やもの。最推しに近い

「최애」は、アイドルだけの言葉ではありません。食べ物やキャラクターにも使えます。「最推しスイーツ」みたいに考えると、ぐっと身近ですよね。アイドルにもおやつにも「いちばん好き」を使えるのが、私は好きです。

「推し活」と「덕질」、好きの向け方はよく似ている

韓国でファン活動を語るときによく出るのが「덕질(トクチル)」。好きな人や分野を熱心に追いかけたり、関連するものを集めたりすることです。日本の推し活と重なる部分が多く、どちらもアイドルに限りません。

メンバーの呼び方なら、最推しに近いのが「최애」、その次に好きな人が「차애(チャエ)」。グループ全体を応援する「올팬(オルペン)」は、箱推しに近い言葉です。きれいに一対一で訳せるとは限らないけれど、「この人がいちばん!」「みんな好き!」という気持ちは伝わります。

下の表は、それぞれで見かける例です。韓国だけ、日本だけの文化として線を引くための表ではありません。今は、K-POPのイベントやグッズを日本で楽しむこともでき、楽しみ方はかなり重なっています。

見比べるところ韓国のK-POPで見かける例日本のアイドルで見かける例
好きなメンバー최애・차애・올팬推し・最推し・箱推し
デビューまで練習生として準備する例オーディションや研修生制度など
新作の活動カムバックに合わせた音楽番組出演新作発売とライブ・特典イベント
会える機会対面・ビデオ通話のファンサイン会握手会・お話し会・チェキ会など
グッズフォトカード・ラッキードロー・応援棒トレカ・アクスタ・ペンライト
誕生日生誕カフェ・地下鉄や街頭の広告生誕祭・誕生日イベント・ファン企画

たとえば日本にも研修生制度があり、韓国でも成長を見守る楽しさはあります。「韓国は完成形、日本は成長型」と決めつけるより、そのグループが何を見せてくれるのかで見るほうが、私はわくわくします。

小さなカードに、好きがぎゅっと詰まっている

韓国のフォトカードは「포카(ポカ)」とも呼ばれます。アルバム封入や購入特典などがあり、ラッキードローで手に入るカードも。日本のトレカやアクスタも含め、持ち歩いたり飾ったりできる小さなグッズは、日常に推しを連れてくる感じがいいですよね。

クリーム色の机に並ぶフォトカードのバインダー、アクリルスタンド、応援棒

私は、数をたくさん集めるより、好きな表情の一枚を大事にしたくなるタイプです。とはいえ、別の写真もかわいいと選びにくい。カードはこんなに小さいのに、誘惑はちゃんと大きいんですよね。

韓国では、食べ物などと推しのカードを一緒に撮る写真を「예절샷(イェジョルシャッ)」と呼ぶこともあります。日本の「アクスタとお出かけ」にも通じる楽しさ。私は、同じケーキが「推しと一緒のおやつ」に変わる、このひと工夫に弱いです。

会える時間と、新曲を待つ時間

韓国では、対面のファンサイン会や、ビデオ通話で話せるイベントがあります。日本にも握手会、お話し会、チェキ会など、近くで交流できる機会があります。アルバム購入者向けの抽選など、参加の仕組みはイベントごとに違います。名前だけで参加方法を決めつけず、公式案内を読むのが確実です。

近くで会えるのも魅力だけれど、画面越しに言葉を交わせるのもかなりうれしい。私なら、流暢さより、「サランヘ」や「ありがとう」を自分の声で伝えられることがうれしいです。

新作を出して活動する「컴백(コムベク)」の時期には、韓国の音楽番組のステージや公開収録を楽しみにするファンもいます。長く休んだ人の復帰だけを指す言葉ではありません。日本でも新作とライブやイベントを一緒に楽しめるので、「次は何が来る?」と待つ時間まで、推し活なんですね。

本人がいなくても、誕生日はお祝いしたい

韓国で印象的なのが、ファンが企画する「생일 카페(センイル カペ)」、いわゆる生誕カフェです。写真や飾りでカフェを彩り、同じ人を好きなファンが集まって祝います。ソウルの公式観光ガイドでも紹介されている文化で、アイドル以外を祝う企画にも広がっています。

写真とパステル色の飾りがあるカフェのテーブルに置かれた、カップスリーブ付きの飲み物とケーキ、フォトカード

日本の生誕祭やファン主催のお祝いとも、気持ちはつながっています。ただ、生誕カフェは本人が来るイベントとは限りません。私が好きなのは、会えるかどうかだけでなく、「同じ人を好きな人と祝う」ことが目的になるところ。好きを話せる場所そのものが、ちょっとしたプレゼントだと思うんです。

SNSで「생카(センカ)」を見かけたら、生誕カフェの略。「입덕(イプトク)」はファンになることです。どちらも、その文化を知ると覚えやすい言葉。単語帳の一行が、急にカフェやステージの景色につながります。

「オッパ」の先に、好きなものを話せる楽しさがある

私は、日本のファンが韓国語を使うことを、正しい発音のテストみたいには見たくありません。意味を知れば、日常の呼び方とファンの愛称を使い分けやすくなるし、韓国のファンが何を楽しんでいるのかも見えてくる。それがうれしいんです。

トレカ一枚を眺めるのも、ライブで応援するのも、誕生日にケーキを選ぶのも、立派な楽しみ方。私は、買った数より「この表情が好き!」と話せる時間を大事にしたいです。

皆さんの最初のK-POP韓国語は、何でしたか? オッパ、サランヘ、それともテバク? 覚えたきっかけと一緒に、コメントで聞かせてください。

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