最近、100円ショップやダイソーで買い物をしていて、「あれ、100円のものを探すほうが難しくない?」と感じました。前は、お手頃なものがたくさんあって、見ているだけでも楽しかったのに。今は、気になるものを見つけると、まず値札を確認したくなります。100円ショップで100円を探す。ちょっとした宝探しです。
私が寂しいのは、金額そのもの以上に、「これくらいなら、気軽に買っていいよね」と思える場所が少し遠くなったこと。安くてかわいいものを見つける、あの小さな楽しみが好きなんです。日本の物価高と円安のニュースも、今は前よりずっと自分の買い物に近い話に感じます。韓国の状況も気になったので、最近の公式データと照らし合わせてみました。
データ確認日は2026年10月22日。日韓の家計向け物価は、条件をそろえて2026年8月の全国・総合CPIの前年同月比を使います。日本の全国CPIは確認時点で8月分まで。輸入物価は、それより新しい9月速報を別に取り上げます。

100円のつもりで手に取る、あの気楽さが好きだった
昔は100円ショップに行くと、手頃なものが次々見つかる感じがありました。最近の買い物では、「これも100円ではないんだ」と感じる場面のほうが印象に残っています。私にとって100円ショップは、必要なものを買うだけでなく、ちょっとした発見を楽しめる場所だったんですよね。

もちろん、これは私が最近の買い物で受けた印象。100円商品がなくなったわけではなく、ダイソーの公式通販にも100円(税込110円)、300円(税込330円)、500円(税込550円)などの商品が並んでいます。気になった商品の価格帯が違うことと、同じ商品が値上がりしたことは別です。
それでも、前より値札を確かめるようになった自分には、はっきり気づきました。私は「買えないほど高い」と言いたいわけではなくて、買う前に一度立ち止まる、そのひと手間が増えたのが少し寂しいんです。300円でも便利ならうれしい。でも、最初から300円だと思って選ぶのと、100円のつもりで手に取るのとでは、気持ちが違いませんか?
この売り場の印象だけで、理由を全部円安に結びつけることもできません。だからこそ、自分の「高くなった気がする」を大事にしつつ、輸入段階と家計の数字は分けて見てみたいと思いました。
日本1.9%、韓国3.1%。でも「韓国のほうが高い」とは限らない
2026年8月の総合CPIは、日本が前年同月比1.9%上昇、韓国が3.1%上昇でした。CPIは、家計が買う商品やサービスをまとめた価格の変化を見る指数です。日本の「生鮮食品を除く総合」は1.7%ですが、韓国の総合と比べる欄には使いません。ここを混ぜると、数字の印象が変わってしまうので。
| 2026年8月 | 総合CPI・前年同月比 |
|---|---|
| 日本 | +1.9% |
| 韓国 | +3.1% |
出典:総務省統計局(2026年9月18日公表)、韓国・国家データ処(9月2日公表)。資料へのリンクは末尾にまとめました。
3.1%は、韓国の値段が日本より3.1%高い、という意味ではありません。韓国は韓国の1年前、日本は日本の1年前との比較。買うものの構成も違います。私は、ここを確認せずに「どっちの国が安い?」へ進むのは、ちょっと待ちたいです。旅行者の予算と、現地で働く人の暮らしは、同じ物差しでは測れません。

円安は、海外の値段が同じでも買い付けを高くする
たとえば、海外から100ドルで仕入れるものを考えてみます。1ドル140円なら1万4,000円、160円なら1万6,000円。海外の値札が変わらなくても、円で払う金額は約14.3%増えます。これは仕組みを説明する仮の計算で、最近の実際の為替推移ではありません。
原材料や燃料の輸入費用が増えれば、加工や配送を経て、店頭価格を押し上げる圧力になります。ただし、お店の値段が同じ割合ですぐ上がるわけではありません。在庫、為替予約、企業がどこまで負担するかでも変わります。私は、この「すぐには見えない負担」が厄介だと思います。為替ニュースを見なくなった頃に、日用品の値札で再会したくはないですよね。
では実際のデータは? 日銀の2026年9月速報では、輸入物価の前年同月比は円ベースで24.5%上昇、契約通貨ベースで17.9%上昇でした。契約通貨ベースは、取引に使う通貨のまま見た価格です。そちらも上がっているので、海外側の価格変化も無視できません。

二つの上昇率の差は6.6ポイント。ただし、これをそのまま「円安で家計の物価が6.6%上がった」とは読めません。輸入段階の集計で、消費者が払う価格とは別です。為替の影響を見る手掛かりにはなるけれど、レジの合計を説明しきる数字ではないんですね。
しかも、同じ9月の輸入物価は、前月比では円ベースで0.2%低下、契約通貨ベースで1.0%上昇。資料の参考ドル円相場も、前月比では円高方向でした。「1年前より高い」と「先月より下がった」は両立します。私は、円安という言葉だけで、毎月ずっと同じ方向に進んでいると思わないようにしたいです。
食費のつらさは、平均の1.9%だけでは見えない
日本の8月CPIをもう少し見ると、食料は前年同月比3.1%上昇。総合の1.9%より高めでした。菓子類は5.0%、飲料は6.0%上昇しています。私が気になるのは、こういう「毎日の小さな楽しみ」に近いところ。大きな買い物を控えても、お茶やおやつの値上がりは何度も目に入ります。
ダイソーで感じたのと同じで、私には「少額だから気軽に買える」が減るのが地味につらいんです。高い買い物なら最初から悩む覚悟があるけれど、日用品やおやつにまで毎回小さな会議を開きたくない。飲みたい一杯は残して、何となく追加するものを見直す。私なら、その順番にしたいです。
なお、値上げの速度が緩やかになっても、以前の値段に戻ったとは限りません。仮に100円の商品が10%上がり、翌年さらに2%上がれば112.2円。上昇率は小さくても、価格は上がっています。ニュースで少し安心したのに買い物は楽にならない。その感覚を、私は「気にしすぎ」で片づけたくありません。
韓国は、野菜が下がっても全体は上がっていた
韓国の8月は、農畜水産物が前年同月比2.6%下落した一方、サービスと工業製品はそれぞれ3.7%上昇しました。野菜などが安くなる動きがあっても、それだけで家計全体が楽になるわけではない。私はこの組み合わせに、日々の出費を見る難しさを感じます。
もう一つ見逃せないのが、比較相手の1年前。国家データ処の説明では、前年8月に一部通信会社が料金を割り引いた反動が、2026年8月の上昇率を押し上げました。去年の一時的な安さとの比較で、伸びが大きく見える「基準効果」です。円安だけでは説明できない、韓国側の事情もあるんですね。
同じ説明会では、その通信料金割引の基準効果を除いた総合の上昇率を、おおむね2.5%と説明しています。これは公表総合値3.1%を置き換える数字ではなく、背景を見るための試算。私は、3.1と1.9の大小だけより、何が押し上げたのかを読むほうが、ずっと暮らしに近いと思います。
私が知りたいのは、好きなものをどれだけ残せるか
円安は輸入費用を通じて日本の物価を押し上げる一因。でも海外価格、国内の費用、政策や前年の特殊事情まで見ると、「日本も韓国も、全部同じ値上げ」ではありませんでした。家計の余裕を比べるには、物価に加えて収入や住居費なども必要です。今回の数字だけで、どちらの暮らしが楽かは決められません。
私なら、ニュースの総合CPIと、自分がよく買う食料品の値段を並べて見たいです。韓国へ行くときも、現地価格と円への換算を別々に確認する。ウォンで同じ値段でも、円とウォンの交換条件が変われば予算は変わります。ドル円だけでは、韓国旅行のお得さは分からないんです。
値上がりには正直、うんざりします。100円ショップで値札を気にせず「これ、かわいい!」と選べた、あの気楽さが私は好きでした。300円や500円でも、気に入って長く使えそうなら買いたい。でも、「安いお店に来たんだから」と何となくかごへ入れるのは、もうやめたいです。好きなものまで全部あきらめずに、ちゃんと気に入った一つを選ぶ。今の私には、その買い方がしっくりきます。
買い物の話で覚えたい韓国語:물가(ムルッカ)=物価 / 가격(カギョク)=価格 / 비싸요(ピッサヨ)=高いです。
今回使った公開資料
いずれも2026年9〜10月公表。確認日:2026年10月22日。CPIは日韓とも8月の全国・総合・前年同月比、輸入物価は日本の9月速報です。
総務省統計局「全国CPI・2026年8月分」(2026-09-18公表)
日本銀行「企業物価指数・2026年9月速報」(2026-10-13公表)
韓国・国家データ処「2026年8月消費者物価動向」(2026-09-02公表)
韓国・国家データ処「2026年8月消費者物価動向」説明会(2026-09-02公表)