韓国の「썸(ソム)」とは?友達以上、恋人未満のちょっと気になる関係

窓辺のカフェで、少し照れた笑顔を交わしながら向かい合う男女

次に会う日がちょっと楽しみ。メッセージが来ると、つい口元がゆるむ。でも「付き合ってるの?」と聞かれたら、まだうなずけない。そんな関係に、韓国語では「썸(ソム)」という短い名前があります。

ソムは、お互いに恋愛の好意を感じながら、まだ恋人として付き合ってはいない関係のこと。日本語の「友達以上、恋人未満」や「なんだかいい感じ」が近い表現です。日本語の記事では「サム」と書かれることもあります。

私は、この言葉のちょっと浮き立つ感じが好き。「恋人ではない」で終わらずに、「でも、何かありそう」を残してくれるんですよね。今回は、そんなソムの意味と、楽しいけれど少しもどかしい距離感をのぞいてみます。

窓辺のカフェで、少し照れた笑顔を交わしながら向かい合う男女

「ソム」の由来は、英語のsomething

「썸」は、英語のsomethingに由来する言葉。「二人の間に何かある」という感覚で考えると、覚えやすいと思います。まだはっきり名前をつけられないけれど、ただの知り合いとは違う。その「何か」を短く言えるのが、面白いところです。

会話では「썸 타다(ソム タダ)」という形でも使われます。意味は「ソムの関係にある」「いい感じになっている」くらい。韓国語教室セットンの解説でも、互いに好意のある、友達以上恋人未満の関係として紹介されています。

この言葉が広く話題になったきっかけの一つが、2014年にヒットしたソユとチョンギゴの曲『썸(Some)』。ただし、言葉自体はそれ以前から使われていました。歌から突然できた恋愛ルール、というわけではありません。

日本にない関係というより、あの曖昧さに名前がある

「韓国には交際前の特別な段階がある」と聞くと、ソムという手続きを済ませてから付き合うのかな、と思うかもしれません。でも、出会いから交際まで、必ず通る関門ではありません。

日本語でも「最近、気になる人といい感じ」「二人で会うけど、まだ付き合ってはいない」と話しますよね。ソムは、そういう微妙な状態を短く共有しやすい言葉だと捉えると、ぐっと身近になります。

私にも、まだ付き合っていない相手との次の約束が、やけに楽しみだった時期がありました。会う日の服を早くから考えて、メッセージが届くと、読む前から少しうれしくなる。「友達以上、恋人未満」というだけでは伝えきれなかった、その浮き立つ気持ちに、ソムという言葉がよくなじみました。

「썸남(ソムナム)」はその関係にある男性、「썸녀(ソムニョ)」は女性を指します。友人からそう呼ばれても、二人の交際が決まったという意味にはなりません。周りのほうが先に盛り上がることって、ありますよね。

並んで歩きながら、少し照れた笑顔で視線を交わす男女

毎日連絡するなら、もうソム?

たとえば、用事がなくても話が続く。二人で会う予定が自然に増える。前に話した好みを覚えていてくれる。そんな場面が重なると、「これってソムかな」と期待したくなります。

ソファに座り、スマートフォンを見てうれしそうに微笑む女性

でも、返信の速さやコーヒーをごちそうしてくれたことだけで、相手の気持ちは決められません。親切な友人という可能性もあります。片思いは自分の好意を表す言葉、ソムは二人の間に好意のやり取りがありそうな関係を表す言葉、と考えると違いが見えやすくなります。

だからこそ、片方はソムだと思っていて、もう片方はまだそう受け取っていないことも。言葉を知っているだけで、相手の本音まで読めるようになるわけではないんですね。

当時は私も、返信が来るまで画面を何度も開いたり、スタンプ一個に意味を探したりしました。でも実際にうれしかったのは、相手から次に会う話をしてくれたことや、前の会話を覚えていてくれたこと。通知の速さばかり見ていた目が、少し相手の行動へ向きました。ハートの角度まで分析していた時間は、お茶に使えばよかったかも。

連絡のペースそのものが気になるときは、韓国の恋人との連絡頻度を紹介した記事もどうぞ。連絡が多いことと、交際に合意していることは、分けて考えたいところです。

ときめきは好き。でも、ずっと保留はちょっと困る

ソムの時間には、相手を知りながら自分の気持ちを確かめられるよさがあります。会話のテンポ、休日の過ごし方、ちょっと疲れたときの反応。好きかどうかだけでなく、一緒にいると心地いいかも見えてきます。

2024年の女子大学生40人へのインタビュー研究でも、ソムには相性を見極める期間としての意味と、親しさやときめきを楽しむ関係としての意味が見られました。少なくとも、誰もが同じゴールを想定しているとは限らない、と考えるヒントになります。

公園のベンチで少し距離を空けて座り、笑顔で見つめ合う男女

私は、次に会う日の服を考えるような時間にはわくわくします。でも、自分だけが交際を期待し、相手は曖昧なままでいたいなら、だんだん苦しくなりそう。ソムというかわいい名前があっても、期待のずれまで消してはくれません。

私は、曖昧なまま待つことがつらくなってから、まず自分がどうしたいのかを書き出しました。もう少し知りたいのか、恋人として付き合いたいのか。そこを整理して話したら、相手の反応を一人で解読し続けるより、気持ちが楽になったんです。「何回会ったら」と決めるより、自分の希望を話せる関係のほうが、私は好きです。

恋人になる境目は、二人の気持ちを確かめること

ソムから恋人へ進むきっかけには、告白や「付き合おう」という確認があります。雰囲気のいいデートを重ねたことと、二人が恋人として付き合うと決めたことは、同じではありません。

立派な告白のセリフを用意するより、「あなたと会うのが楽しい」「私は付き合いたいと思っている」と自分の言葉で伝えるほうが、私にはしっくりきます。相手の答えも聞けたら、想像だけで悩む時間を少し減らせそうです。

ソムの、まだ何かが始まりそうな感じは好き。でも私は、気持ちが育ったら、その先もちゃんと話せる関係を選びたい。曖昧な時間を楽しむことと、自分の希望を大事にすることは、一緒にできると思うんです。

今日のひとこと韓国語

썸(ソム):好意を感じ合う、交際前の関係

호감(ホガム):好感

고백(コベク):告白

연애(ヨネ):恋愛

ソムは、日本にはない不思議な恋というより、「まだ恋人じゃない。でも気になる」を話しやすくする言葉。そう思ってドラマの二人を見ると、告白前のぎこちない笑顔まで、少し身近に感じられそうです。

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