韓国ではなぜ「普通の20代男性」が軍人になる?日本の自衛隊との違い

ソウルの部屋で衣類をバッグに詰める韓国の若い男性をイメージした写真

韓国ドラマで「入隊する」というせりふを聞くと、軍人を目指していた人の話だと思うかもしれません。でも韓国では、特別な職業を選んだからではなく、兵役の義務で軍に入る20代男性が多いんです。日本の自衛隊も国を守る大切な組織。ただ、隊員になる入口が違います。韓国旅行中に耳にするかもしれない避難訓練のサイレンも含めて、その違いを日常から見てみましょう。

ソウルの部屋で衣類をバッグに詰める韓国の若い男性をイメージした写真

韓国では、軍人になることが「進路の一部」になる

韓国の兵役法第3条は、韓国籍の男性に兵役の義務を定めています。女性は志願して服務できます。つまり、軍服を着る若い男性の中には、長く軍を仕事にする人だけでなく、義務を果たしている人もいるということ。

とはいえ、男性なら全員が同じ形で入隊するわけではありません。兵役判定検査の結果などにより、現役兵としての服務、公共機関などで働く社会服務などの道が分かれ、免除に該当する場合もあります。「韓国の男性=みんな兵士」とひとまとめにしないのが大事です。

大学の時間割にも、友達との約束にも

兵務庁によると、兵役判定検査は原則として19歳になる年に受けます。入営の時期を選んだり、在学中は延期制度を利用したりできるので、大学生活と兵役の順番を考えることになります。現役兵の服務期間は、現在、陸軍・海兵隊が18か月、海軍が20か月、空軍が21か月です。

同年代の知り合いから入隊の予定を聞いたとき、私はまず「次はいつ会える?」と考えました。その後で、本人は授業や仕事の順番まで考えているのだと気づいたんです。「いつ行く?」「いつ戻る?」は、ただの予定確認ではありませんでした。一言の「頑張って」で送り出す前に、本人が話したい普段の予定にも耳を傾けたいと思いました。

整えられたベッドとブーツが並ぶ共同生活の部屋をイメージした写真

日本の自衛隊は、志願して入る仕組み

一方、日本の防衛省は、自衛官を本人の意思に基づく志願制度で採用すると説明しています。募集区分を選んで応募し、選考を経て入る仕組みです。日本の若い男性全体が、ある年齢で一斉に服務する制度ではありません。

日本の自衛隊には国の防衛に加え、災害派遣などの任務もあります。戦後の憲法と防衛政策の下で成り立ってきた制度で、韓国軍と比べて優劣をつける話ではないと思います。入口が違えば、周囲の人が自衛官や軍人と出会う場面も変わる。私には、その違いがいちばん興味深いところです。

日本の自衛隊への応募を考える人が進路相談をする様子をイメージした写真

なぜ韓国では兵役が身近なの?

背景の一つに、朝鮮半島の分断があります。朝鮮戦争の戦闘は1953年の休戦協定で止まりましたが、分断は続いています。その歴史と安全保障の中で、韓国は男性に兵役義務を課す制度を維持してきました。日本は戦後、自衛隊を志願制で運用しています。国ごとの歴史と制度を一緒に見ると、違いが見えやすくなります。

入隊の話を聞いたとき、私は先に「いい経験になるね」と言わず、相手が今どんな気持ちなのかを聞くようにしました。身近な制度だから、誰もが気楽に受け止めているわけではない。進学や仕事の予定を組み直す大きな節目だからこそ、送り出す側の言葉で重さを決めたくありません。軍人が日常にいることと、兵役を美談にすることは別だと感じます。

旅行中にサイレンが聞こえたら?

韓国を旅していると、民防衛訓練(민방위 훈련)に出合うこともあります。これは若い男性の兵役とは別の、住民や施設が避難を練習するための訓練。訓練の時間にはサイレンや放送が流れることがあります。旅行中に突然聞こえたら、びっくりしますよね。そんなときは、まず周りの様子を見てみて。

周りの人が普段どおり落ち着いて動いていたら、自分も慌てず、放送にも耳を傾けながら近くの建物や地下へ。お店や駅で案内があれば、それに合わせて動けば大丈夫。「え、何の音?」が、「こういう訓練もあるんだ」に変わるかもしれません。

今日の韓国語、まずはこの3つ

입대(イプテ):入隊

전역(チョニョク):除隊

휴가(ヒュガ):休暇

入隊までの間に食事の予定を相談したとき、私にとって兵役は、ニュースの制度から、会いたい人のカレンダーの話になりました。身近なのは、街じゅうに軍服が見えるからというより、誰かの進路や約束に入っているから。これからも「入隊」という言葉を聞いたら、本人がいったん置いていく普段の生活と、その人の話に目を向けたいです。

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