日本で人気の韓国スイーツ、韓国でもよく食べる?薬菓・塩パン・クロッフルのリアル

ショーケースに並ぶ、花形の薬菓をのせたクッキー

日本のカフェやSNSで見かける、薬菓、塩パン、クロッフル、インジョルミ、ビンス。「韓国の人も、ふだんからこんなに食べているの?」と気になりませんか。

答えは、韓国でも食べられているけれど、暮らしの中での位置づけはそれぞれ違う、です。伝統的なお茶請けもあれば、パン屋で選ぶ一品、カフェで楽しむご褒美も。「韓国スイーツ」という一つの名前で見るより、いつ、どこで食べるかに注目すると、ぐっと面白くなります。

2026年9月には、広島のカフェで自分で焼くクロッフルのモーニングが登場。日本でも楽しみ方が広がっています。ただし、ここで紹介する5つが今、同じ勢いで全国的に流行している、という意味ではありません。今回は、その「韓国での居場所」をのぞいてみましょう。

薬菓は「昔ながら」と「今っぽい」が同居するおやつ

花の形の薬菓(ヤックァ)は、小麦粉の生地を油で揚げ、蜂蜜やシロップで甘く仕上げた伝統菓子。つやつやの見た目と、じゅわっと濃い甘さが特徴です。韓国では、秋夕などの行事やお茶の時間ともつながる存在でした。

でも、「おばあちゃん世代のお菓子」で話を終えるのはもったいない! 薬菓をクッキーにのせたり、アイスと組み合わせたりして、カフェやコンビニのデザートにもなっています。

ショーケースに並ぶ、花形の薬菓をのせたクッキー
薬菓をクッキーにのせたアレンジ。写真:聯合ニュース。 聯合ニュースの記事

たとえばCUでは、2023年に発売した「イウッチプトントンイ薬菓クッキー」を含むシリーズが、2025年4月の発表時点で累計約1,000万個に。これは一社のシリーズ全体の販売数ですが、韓国でも実際に買われた人気だったことがわかります。

私は、花形の薬菓をコーヒーと一緒に食べたとき、ひと口の濃い甘さに驚きました。小さくても、しっかりおやつの時間になったんです。甘い飲み物より無糖の一杯を合わせたほうが、自分にはちょうどよかった。昔ながらの形が今っぽいお皿にのるかわいさと、ひと口ずつ味わう楽しさの両方が好きです。

塩パンは、韓国でも身近。でも韓国生まれではない

韓国では「ソグムパン」と呼ばれる塩パン。ベーカリーカフェだけでなく、パリバゲットのような大きなチェーンにも商品があります。特別なカフェ巡りの一品としても、飲み物に添えるパンとしても選べる存在です。

木の板に置いた塩パンと、空洞のある断面
韓国ではソグムパン。まずはプレーンで、パンそのものの風味を。

ここはちょっと意外かも。塩パンは韓国発祥ではなく、日本の愛媛県にあるパン・メゾンで生まれたパンです。日本のパンが韓国のカフェ文化にもなじみ、「韓国旅行で食べたいパン」として見られるようになった、と考えると面白いですよね。

そもそも、プレーンの塩パンは甘いデザートとは少し違います。バターの香り、塩気、香ばしい底を楽しむパン。「韓国スイーツ」の仲間に入っていても、ケーキと同じ気分で食べるとは限りません。

私はクリームを盛ったものより、まずはプレーンを選びたい派。底のカリッと感と中のやわらかさが好きです。地味に見えて、選ぶときにはしっかり主役。こういうパン、強い。

クロッフルは「毎日のおやつ」より、カフェで楽しむ一皿

クロワッサン生地をワッフルメーカーで焼くクロッフル。四角い焼き目と、バターのきいた層が魅力です。韓国では、カフェで飲み物と一緒に楽しめるメニューの一つ。アイスやクリームをのせた姿は、ちょっとしたご褒美感があります。

バニラアイスをのせたクロッフルと、カフェのドリンク
クロッフルにバニラアイスをのせた一皿。アイスとの温度差も楽しい。

今も、コンポーズコーヒーの公式メニューには、小豆とインジョルミを合わせたものなど「クロワッサンワッフル」が掲載されています。韓国のカフェで出会える味ですが、「韓国の若者が今、一番食べている」とまでは言えません。

日本で話題になる時期と、韓国で新鮮に感じられる時期は、ぴったり同じとは限らないんですよね。韓国でなじんだメニューが、日本では季節のトッピングや新しい食べ方で、もう一度わくわくする存在になることもあります。

アイスをのせたクロッフルを頼んだとき、私は先に写真を撮ろうとして、溶け始めたアイスに気づきました。慌ててひと口食べると、温かい生地と冷たいアイスが一緒になって、その境目がおいしかったんです。次は一枚だけ撮って、すぐフォークを持つつもり。写真に残すことと、おいしい瞬間を逃さないことの順番は、決めておいたほうがよさそうです。

インジョルミは、流行する前からあるきな粉餅

インジョルミ(인절미)は、もち米で作る餅。きな粉をまぶしたものがよく知られています。日本のきな粉餅を思い浮かべると入りやすいですが、韓国では餅店で買うおやつとしても、お茶請けや贈り物としても親しまれてきました。

カフェでは、餅そのものを味わうほか、ビンスやトースト、クロッフルと組み合わせることも。「新しい韓国デザート」に見えても、中心にあるのは、前から身近だった餅やきな粉の味です。

きな粉の香ばしさは、日本の読者にも想像しやすいですよね。私は、知らない名前のお菓子なのに、味の入り口はちょっと懐かしい、という感じが好き。インジョルミ味のメニューで気に入ったら、次はシンプルな餅も選んでみたくなります。

ビンスは夏の楽しみ。大きな器はシェアも楽しい

ビンス(빙수)は韓国のかき氷。小豆をのせるパッビンスのほか、ミルクの氷にきな粉や餅を合わせたり、果物をたっぷりのせたりと、いろいろなタイプがあります。写真でおなじみのふわふわなミルク氷が、すべてのビンスの形というわけではありません。

きな粉、インジョルミ、アーモンドスライスをのせたビンス
きな粉と餅に、アーモンドを添えたインジョルミのビンス。

ソルビンでは、インジョルミのビンスが定番メニューに入り、果物を使った季節メニューも並びます。暑い日の涼しいおやつとして楽しめるし、専門店では夏以外にも選べる。新商品が変わっても、定番の味が残るところに安心感があります。

友達と大きなビンスを分けた日は、氷のふわっとした口どけと、餅のもっちりした食感を交互に楽しみました。同じ器を囲んで、それぞれ好きなところを食べる時間もよかった。一人用のカップなどもあるので、注文前にはサイズを見ておくと選びやすいです。次もきな粉と餅を選んで、ゆっくりおしゃべりしながら食べたいと思っています。

日本で気になる理由は「かわいい」の、その先にある

この5つを並べてみると、韓国での居場所は同じではありません。薬菓やインジョルミには伝統のおやつという顔があり、塩パンはパン屋、クロッフルはカフェの一皿、ビンスは涼を楽しむ時間と結びついています。

私は、日本で韓国スイーツへの関心が続く理由の一つは、見た目の楽しさに加えて「食べてみたくなる食感」が伝わりやすいことだと思います。蜜のじゅわっ、パンのカリッ、餅のもちっ。写真や動画で気になって、ひと口食べて確かめたくなる。

しかも、きな粉、餅、バター、小豆にはなじみがある。その味が、違う組み合わせや盛りつけになるだけで新鮮に見えるんです。私には、遠い国の珍しい食べ物というより、知っているおいしさに新しい表情を見つける楽しさに感じられます。

甘いものを選ぶときの、ちいさな韓国語

  • 간식(カンシク)— おやつ
  • 떡(トク)— 餅
  • 빙수(ピンス)— かき氷
  • 맛있어요(マシッソヨ)— おいしいです

私なら「話題の一品」と「シンプルな一品」を選びたい

韓国で食べるなら、薬菓のアレンジとプレーンの薬菓、インジョルミのビンスとシンプルな餅。そんなふうに、同じ味の違う姿を比べてみたいです。

流行しているから食べるのも楽しいけれど、そのお菓子がふだんどんな場所にあるかを知ると、次のひと口が少し面白くなる。私は、写真でときめいて、定番の味でもっと好きになる、そんな楽しみ方に一票です。

薬菓クッキーの写真:聯合ニュース。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です