去年の11月11日、友達に渡すペペロをコンビニで選んでいました。あの子はアーモンド、こっちはチョコ。好きな味を思い出しながらかごに入れて、最後に自分の分も追加。気づけば、自分へのプレゼントがいちばん大きくなっていました。
そのとき、ふと気になったのが日本のポッキー。「似ているけど、どっちが先? しかも、どうして同じ11月11日なの?」。調べてみると、お菓子の発売はポッキーが先。でも、11月11日に贈り合う習慣は韓国で先に広まったとされています。
この順番の逆転、私はかなり好き。見慣れたおやつに、急に話したくなるプロフィールが付いた感じです。2026年はポッキー発売60周年でもあるので、今年の11月11日は、この小さな「へえ!」も一緒にシェアしたくなりました。
ポッキーは17年先輩。いつものおやつが急に大人に見えた
ポッキーが日本で発売されたのは1966年。メーカーは江崎グリコです。韓国のロッテがペペロを発売したのは1983年。ポッキーが17年先に登場しました。私はもっと近い時期に生まれたと思っていたので、この差にはびっくり。
どちらも、細長い焼き菓子とチョコレートを組み合わせたスティック菓子。チョコが付いていない持ち手まで似ていますが、ブランドもメーカーも別です。ペペロは韓国語で「빼빼로」。日本語では「ペペロ」と表記されることが多いです。

写真:Evan-Amos/Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0。サイズ調整・WebP変換。
私は、ポッキーとペペロを家で並べて食べたこともあります。その日は両方とも普通のチョコ味。ひと口ずつ交互に食べて、チョコの甘さと生地の感じに集中してみました。ふだんはスマホを見ながら食べているのに、このときだけ妙に真剣。
結局、勝敗は付けませんでした。私は「どっちが上?」より、「この一本の、どこが好き?」と考える方が楽しかったんです。チョコの付いていない最後のひと口まで食べると、甘さがすっと落ち着く。その小さな切り替わりが好きでした。

写真:Evan-Amos/Wikimedia Commons/CC0 1.0。サイズ調整・WebP変換。
普段のペペロ選びでは、私はアーモンド派。チョコの甘さに、ナッツの香ばしさとざくっとした食感が重なるのが好きです。あの香ばしさが後を引いて、もう一本に手が伸びる。写真のペペロもアーモンド入りなので、上のチョコ味ポッキーと同じ味の比較ではありません。
お菓子は日本が先。「11月11日に贈る」は韓国が先
韓国のペペロデーは、1990年代に学生たちがお菓子を交換していた習慣から広まったとされています。よく紹介されるのは、韓国南東部の女子学生たちが、友達同士で「ペペロのようにすらっとしよう」という気持ちを込めて贈った、という由来です。
最初の年や場所は資料によって説明が異なり、1994年とする報道も、1996年とする紹介もあります。ロッテの公式ブログも始まりの時期は確実ではないとしています。ここでは「1990年代中ごろに広まった習慣」と押さえましょう。
日本の「ポッキー&プリッツの日」が始まったのは1999年11月11日。発売はポッキーが先、11月11日の交換文化は韓国が先に広まった、という順番になります。
| 項目 | 日本のポッキー | 韓国のペペロ |
|---|---|---|
| 発売年 | 1966年 | 1983年 |
| 11月11日の始まり | 1999年に記念日を制定 | 1990年代中ごろに交換の習慣が広まる |
| 呼び名 | ポッキー&プリッツの日 | ペペロデー |
私がぐっときたのは、お菓子を発売した日とは別に、友達同士で渡す日が育っていったこと。「今日、これをあげよう」が重なって、季節の楽しみになる。去年の私も、そんな小さなやり取りの続きにいたんだな、と少しうれしくなりました。
なお、この年表で分かるのは時間の順番です。日本の記念日が韓国を参考にして作られたかどうかまで、日付だけで断定はできません。
「1」を並べてお菓子の日にする、あの発想がかわいい
同じ11月11日になった理由は、あの細長い形。ポッキーもプリッツもペペロも、数字の「1」に似ています。「11/11」と書くと、スティックが4本並んだみたいですよね。私はこういう、説明を聞いた瞬間に分かる遊び心に弱いです。
日本には、もうひとつ数字の遊びがあります。1999年は平成11年。「平成11年11月11日」で、1が6個並ぶんです。グリコは、この日に「ポッキー&プリッツの日」をスタートさせました。
私は平成11年の話を知って、スマホのメモに「11・11・11」と打ってみました。確かに、さっきよりスティックが増えている。たったそれだけなのに、制定した人の「この日だ!」というわくわくが少し伝わってきて、にやっとしました。
友達の好きな味を覚えていた。それだけで、うれしかった
ペペロデーは恋人に贈るイメージもありますが、韓国では友達、家族、職場の人などにも気持ちを伝える機会として親しまれています。「好き」だけでなく、「ありがとう」や「いつもお疲れさま」にも、お菓子を添えられる日です。

写真:Saipiny/Wikimedia Commons/CC0 1.0。サイズ調整・WebP変換。
去年、私が友達に渡したのは、好きな味を選んだひと箱と、小さなメッセージ。大げさな言葉は照れくさくて、「いつもありがとう」だけ書きました。渡すときは少しそわそわしたけれど、友達がすぐ箱を開けてくれて、そのまま一緒におやつの時間になりました。

うれしかったのは、私も友達からアーモンド味をもらったこと。「これ好きでしょ」と渡された瞬間、味を覚えていてくれたことにきゅん。値段や包装より、こういう小さな「あなたのこと、ちゃんと知ってるよ」が残るんですよね。
私は、ペペロデーのこの軽さが大好きです。予定を合わせて特別なお店へ行かなくても、ひと箱で話すきっかけができる。もちろん気合いの入ったラッピングもかわいいけれど、去年は袋のリボンがうまく結べず、結局シールで留めました。私のラッピング技術は、まだ成長中です。
メッセージに書いた「고마워」は、親しい相手への「ありがとう」。贈り物のそばにある韓国語を、三つだけ。
선물(ソンムル)=プレゼント
친구(チング)=友達
고마워(コマウォ)=ありがとう〈親しい相手に〉
60周年の今年は、ポッキーも一緒にシェアする
1966年生まれのポッキーは、2026年で60周年。グリコの公式サイトでも、この節目が紹介されています。なお、60周年なのはポッキーの「発売」。1999年に始まった「ポッキー&プリッツの日」は、2026年で開始から27年です。
私は60年という数字を知って、ポッキーを見る目が少し変わりました。きらきらした新商品も好きだけれど、長くそこにあって、今も気軽に手が伸びるお菓子っていい。すごい歴史なのに、食べるときはいつものおやつ。その距離の近さが好きです。
今年は友達へのペペロに、ポッキーも一緒に添えることに決めました。「こっちは17年先輩。でも11月11日に贈る習慣は韓国が先なんだって」と、この話も一緒に。いつものひと箱に、ちょっと面白い話が付くのが楽しみです。
私にとってペペロデーは、相手の好きな味を思い出して、「今日、これを渡そう」と動く日。去年のアーモンド味がうれしかったから、今年もその気持ちを返したい。ポッキーかペペロかの勝ち負けより、一緒に箱を開けて笑う時間が、私はいちばん好きです。