日本で日常の連絡といえばLINE。韓国でその定番になっているのが、カカオトークです。韓国語では「카카오톡」、短く「カトク」。連絡先を交換するときに、この名前がよく出てきます。
ただ、最近の若い世代の会話はカトクだけではありません。InstagramのDMも大きな存在に。韓国の日常でどっしり構える黄色いアプリと、友達との会話が広がるDM。その違いを知ると、韓国のスマホ生活がちょっと面白く見えてきます。

画像出典:Kakao Corp./カカオトーク公式紹介
日本はLINE、韓国はカトク。連絡の「集合場所」が違う
黄色い背景に、茶色の吹き出しと「TALK」。これがカカオトークのアイコンです。日本のLINEと同じように、友人や家族とメッセージをやり取りするためのアプリ。韓国では、待ち合わせから家族の用事まで、普段の連絡先として頼られています。
カカオの2025年事業報告によると、2025年12月の国内シェアは利用時間ベースで97%。これは主要モバイルメッセンジャー上位5サービスの総利用時間に占める割合です。「韓国人の97%が使う」という人口の割合や、Instagramを含むすべての会話アプリのシェアとは違います。
数字の条件はひとつ押さえつつ、それでもかなりの存在感ですよね。私は、便利な機能以上に「連絡したい人が、そこにいる」ことが強さの理由だと思います。友達、家族、学校や職場の知り合い。同じ場所に集まっていれば、毎回「どのアプリに送ればいい?」と確認しなくて済みます。
アプリを乗り換えるとき、自分のスマホだけなら引っ越しは簡単。でも家族のグループまで連れていくとなると、急に大きな引っ越しになりそう。荷物はないのに、住民は多いんです。
「韓国でしか使わない」は違うけれど、韓国らしい存在感
カカオトークは韓国発のメッセンジャー。でも、「世界で韓国だけが使っている」わけではありません。海外にも利用者がいて、北米では韓国系の人たちに向けた生活情報サービスも提供されています。
私が面白いと思うのは、世界中で同じアプリにそろえるより、韓国ではカトクが普段の連絡の中心として根づいていること。日本でLINEを開くように、韓国では黄色いアイコンを開く。言葉だけでなく、いつもの連絡先にも、その場所の日常が見えるんですね。
韓国では「カトク使ってる?」と聞くより、「あとでカトクするね」で話が進むくらい、カトクが日常に溶け込んでいます。感覚としては「スマホ、充電する派?」と聞くようなもの。えっ、充電しない派もいるの? と、質問のほうが気になってしまいそうです。
私も、韓国の友達と予定を決めるときは自然にカトクを開き、日本の友達への連絡ではLINEを開いていました。並んだ二つのアイコンを見ると、相手に合わせて集合場所を変えていたんですね。カトクは私にも、韓国の連絡先交換の初期設定のような存在でした。機能の違いだけでなく、「話したい人がそこにいる」ことが、使い続ける理由になっていました。
トークの中に、待ち合わせもみんなの予定も

画像出典:Kakao Corp./カカオトーク公式紹介
こちらは公式のトーク画面です。白い吹き出しが相手、黄色い吹き出しが自分のメッセージ。「いつ会う?」「23日の夜はどう?」と相談して、待ち合わせの出口まで決めています。会話の内容は、日本でLINEを使うときとよく似ていますよね。
駅で待ち合わせたとき、何番出口かを先に送ってもらえて、私はずいぶん助かりました。着いてからメッセージを探し直さず、迷わず外へ出られたんです。それからは自分が誘うときも、駅名だけでなく出口まで一緒に送っています。アプリの機能がたくさんあることより、こういうひと言が届くことに、私は便利さを感じます。
複数人のグループチャットは「단톡방(タントクパン)」。家族の予定や友達の集まりをまとめて相談できます。会話から決まった予定を共有する「トークカレンダー」も、その延長にあります。

画像出典:Kakao Corp./トークカレンダー公式紹介
この画面は、読書会のグループが日付入りの予定カードを共有した例。日時が一枚にまとまると、あとで会話をさかのぼらなくて済みます。私は、わいわい話す楽しさと、「結局いつ?」を減らす便利さが両方あるところがいいなと思います。
「お疲れさま」に、お茶まで添えられる

画像出典:Kakao Corp./カカオトーク・ギフト公式紹介
こちらは「선물하기(ソンムラギ/ギフトを贈る)」の公式画面。紅茶のギフトとメッセージが、相手とのチャットに届いています。一日の頑張りをねぎらい、温かいお茶を飲んで休んでね、という気持ちが添えられています。
連絡のアプリで、そのままプレゼントも贈れる。誕生日のお祝いだけでなく、「ありがとう」や「ひと息ついてね」を形にできるところに、私はきゅんとします。
好きなお茶のギフトがメッセージと一緒に届いたとき、私は値段より、「好みを覚えていてくれたんだ」とうれしくなりました。次に贈る側になるときも、相手が休憩に楽しめるものを選ぶつもりです。大きなサプライズより、ふだんの一日に寄り添う贈り物が好き。画像の商品や期限は紹介用の例なので、実際に贈る際は商品の条件を確認してくださいね。
でも、若い世代の雑談はInstagramのDMにも
ここまで読むと「韓国の連絡は全部カトク?」と思うかもしれません。でも、最近はInstagramのDMも、若い世代の大切な会話の場所になっています。
KTナスミディアの2026年NPR調査では、調査対象の10代が主に使うメッセンジャーはInstagram DMが52.5%、カカオトークが37.6%。この世代では、DMがカトクを上回っていました。前の年の2025年調査でも、メッセンジャー利用者のうち20代の52.1%がInstagram DMを利用していました。こちらは複数回答の利用率です。
ストーリーズを見て反応したり、面白いリールを送り合ったり。写真や動画からそのまま会話に入れるのが、Instagramの気軽さ。私は「これ、好きそう!」と動画が届くやり取りがいいなと思います。きちんと用事を作らなくても、話すきっかけになりますよね。
家族や予定の連絡はカトク、友達との軽いやり取りはDM、という使い分けも考えられます。みんなが一斉に引っ越すというより、相手や話題によって行き来する感じ。これは使い分けの例ですが、「カトクが強い」と「若者がDMを使う」は、ちゃんと両立するんです。
好きなのは、シェアの高さより気遣いが届くところ
韓国のカトクは、身近な人とつながる日常の拠点。でも、その隣にはInstagramのDMもある。私は、この行き来できる感じが好きです。相手と話しやすい場所を選べばいいし、ひとつのアプリに全部を詰め込まなくてもいい。
そして、どのアプリでも即レス競争には参加したくありません。カトクにLINE、Instagram。通知の入口は増えても、私の手は二本のままです。
待ち合わせの出口を教えてくれるひと言、好きなお茶を覚えてくれた贈り物、笑える動画の共有。私がうれしいのは、アプリの大きさより、そこに乗って届く気遣い。気軽につながって、気楽に待てる。韓国の黄色いアプリとも、そんな距離感で仲よくしたいです。
今日の韓国語
카톡(カトク):カカオトークの略
단톡방(タントクパン):グループチャット
선물(ソンムル):プレゼント
답장(タプチャン):返信
掲載画像はKakao Corp.の公式公開資料です。画面はサービスの紹介例で、表示や操作はアプリのバージョンなどにより異なることがあります。